株式会社OMECOは、当社の商標「OMECO」(登録第6277280号、指定商品:第14類・時計)に関する特許庁の登録取消決定(2021年12月14日)を不服として、知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提起しておりましたが、2022年5月25日、同裁判所第4部により当社の請求は棄却される判決が下されましたので、ご報告いたします。
1. 事件の経緯
- 2021年、スイスの時計ブランド「OMEGA」社より異議申立てがあり、特許庁は以下を理由に当社の商標を取消す決定をしました。
- 「OMEGA」との混同を生じさせるおそれがある(商標法第4条第1項15号)
- 「OMECO」が卑わいな印象を与え、公序良俗を害する(同第7号)
- これを受け、当社は特許庁の決定を不服として、2022年1月に知財高裁に審決取消訴訟を提起しました。
2. 弁論の経緯
- 当社は、商標「OMECO」が独自のブランド意図に基づくものであり、社会通念上、直ちに卑わいと評価されるものではないと主張しました。
- また、「OMEGA」との混同についても、外観・称呼・観念いずれの点においても明確に識別可能であり、混同のおそれはないと主張しました。
- 一方、被告(特許庁長官側)は、一般需要者に与える印象を重視し、「OMECO」は女性器を直接想起させる卑わいな語であり、公序良俗を害するため商標法第4条第1項7号に該当すると反論しました。
3. 裁判所の判断(判決要旨)
- 裁判所は、当社商標「OMECO」の構成自体が日本語スラングとして女性器を直接連想させることは容易に想定でき、一般需要者に卑わいで不快な印象を与えると認定しました。
- そのため、本件商標は商標法第4条第1項7号(公序良俗違反)に該当すると結論づけました。
- これにより、公序良俗違反の時点で取消しの理由が成立するため、商標法第15号(混同のおそれ)についての判断は行わないとしました。
- 結果として、当社の請求は棄却され、特許庁の取消決定が維持されました。
4. 今後について
当社といたしましては、本判決を真摯に受け止め、引き続き知的財産に関する法令遵守と社会的責任を踏まえた事業活動を進めてまいります。
お客様ならびに関係者の皆様におかれましては、本件に関するご理解を賜りますようお願い申し上げます。